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日々の雑感


by さむちゃん
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新聞掲載

今朝(6月21日)の南日本新聞朝刊に、川柳つばさ5月号の薫風集に投句した句が掲載された。
特攻館出てじゃれあう子らの平和  石原夢修

数ある句の中から抜いていただき感謝である。主宰やさわだまゆみさんからは、句跨りでリズムが悪いと指摘を受けていた曰くつきの句である。巧拙は抜きにして、宮崎番傘川柳会の間瀬田紋章さんや指宿川柳会の桜井しげのりさんには前号秀吟にとっていただき、5月号のつばさ賞を頂いた。多分に内容面で選んでいただいたのではと思う。

「特攻館/出てじゃれあう/子らの平和」と切ると、6-6-6となり字余りの上に5-7-5のリズムからは大きく逸脱していると思う。しかしながら、
「特攻館出て/じゃれあう子らの平和」と切れば、8-10ではあるがスッと一気に読んでもらえるはずだ。そんな読み方はないと言われれば、きちんとした理論武装もできない。17音字の短詩型である川柳というツールを使って、なんとかあの時の状況を詠んでみたかっただけだ。読みと理解は読者に委ねるつもりだったのだが、新聞に載せていただいたのでちょっと自解説させてもらいたい。

3月末に東京から迎えた子供たち4人を案内して特攻館に行った時の情景である。感情の出しかた、特に「涙」は十人十色である。性別や世代、年齢、育ちなどによって変わってくる。普段こども達に接する機会の多い仕事をしているので、特に十代の感情表現や行動様式はだいたいわかっているつもりだ。特攻館内で、子ども達の目に光るのを垣間見ることができたのは、やはりというか、展示品のすごさと現代人に訴えかけてくるメッセージを彼らが感じ取ってくれた証拠だと思った。感情表現が素直に出てこないところが十代の特に思春期の特徴だが、彼らもまた、抑圧した重々しい悲しみの感情を、特攻館を出た直後に無意識に友達同士でじゃれ合うことで昇華したのだろう。しかし心の奥底には確実にそのメッセージは澱のごとく沈潜したはずだ。

つい何十年か前、自分たちと同じ年の人たちが特攻機に乗って散っていったことを考えれば、今置かれている環境や恵まれた豊かさに自然と感謝の気持ちが生まれてくるだろう。そういう人たちの犠牲の上に今の繁栄した日本があるというところまでは考えなくても。人間の幸福感というのは比較の産物だと思う。

特攻館にじゃれ合うという言葉は不謹慎だという方もいるかもしれない。しかしながら、抑圧した感情、悲しみの感情がじゃれ合うという行為に転化することも十分ありうることである。あたかも戦前・戦中が特攻館の中で、アメリカ文化を享受して発展した戦後日本は特攻館を出てからの解放感にもたとえられる。

まさか何も感じない平和ボケの若者がバカなふざけ合いをしていると読む方はいないと思う。そこまで悲観的な若者はいないと信じている。それでもいるとするなら、そんな若者はいつの時代にもごく少数いて、比較の対象になってくれる、ある意味有り難い存在かもしれない。

ともあれ、この句が掲載されたことはすこし恥ずかしい気持ちがないわけではない。忘れかけていた句だったが、記憶を呼びもどしてもらいあの時の情景を再確認する機会になった。
新聞掲載_a0158075_19311158.jpg

Commented by 太陽の陽子さん at 2012-06-21 22:23 x
先生、もう一度「おめでとうございます」 ヽ(^o^)丿
よかったですね。 写真がいまいちハッキリしませんね。。。

特攻館(6) 出てじゃれ合う(6) 子らの平和(6)

特攻館出て(8) じゃれ合う子らの平和(10) ですね。

句またがりの場合は17音字きっちりでないといけないとか、なんだかんだと諸説があります。

ここで、大先輩に頂いたお手紙を紹介しますね。

「定形のバリエーションの一つに755もあり」、というのと、「上5の字余りは許される」というのを組み合わせると、855というのも定形のうちの一つだということになります。

わかりますか。わかったようなわからないような、うまくごまかされたような・・・

となると、先生の句は855の定形なのでしょうか?

ともあれ、5月号の「きらり この一句」では、私もこの句を選んでいますよ (*^。^*)
Commented by りんご詩姫 at 2012-06-22 01:40 x
修ちゃん、おめでとうございます。
この句の良さは、何よりも「見つけ」です。
リズム感の良し悪しについては賛否両論があるでしょうが、見つけの素晴らしさは、誰もが認めるところだし、間違いなく心に残る句です。
ただ、修ちゃんが、これからも、安易にリズムの悪い句作りに走らないかしらん‥‥と、ちょっと心配な私です。


(^。^;)
Commented by attainmentofall8 at 2012-06-22 04:26
太陽の陽子さん、コメントありがとうございます。6-12じゃなくて8-10でした。基本は、基本に忠実にまた定型にこだわっていきたいと思います。今回のは新聞ということもあり、内容面で選んでいただいたと思っています。m(^^)m
Commented by attainmentofall8 at 2012-06-22 04:43
りんごの詩姫さん、コメントありがとうございます。今回の句は実は、畠山兵衛助をやりましたがうまくいかなくてこうなりました。散策で添削いただいた「特攻館を出てじゃれ合っている平和」は、「を」が気になるし、「子ら」がない分「じゃれあっている」が平和にかかっているようでまたふしぎな句に感じられます。意味的には、「特攻館を出て/じゃれ合っている/平和」か「特攻館を出てじゃれ合っている/平和」のどちらかになると思います。「特攻館を出て/じゃれ合っている平和」と誤解される可能性が無きにしも非ずかなと思ったりしますがどうでしょうか。
Commented by りんご詩姫 at 2012-06-22 05:21 x
私の添削に「子」が無いのは、実は「子ら」に拘らずに「カップル」と捉えられても、現代の風潮を表しているようで面白いかな‥‥と思ったからでした。
「特攻館出てじゃれ合う子の平和」ならば、句跨がりの十七音になりますが、修ちゃんは、やっぱり「子ら」と詠みたいのでしょうね。
この句は見つけが素晴らしいので、そんなに頑なに細部に拘らなくても、充分に秀句だと思います。

Commented by 太陽の陽子さん at 2012-06-22 06:06 x
りんごちゃんの仰る通り、この句の見つけが素晴らしいです。
見つけという言葉よりも、感動をそのまま句にしているところがいいのだと思います。
句を作ろうと思って作ったのではなく、感動を句にしようと思われたのではないでしょうか?
それで、この句からは先生の感動が、あふれ出ているのだと思います。
こういう句の作り方が理想ですよね。感動を残したくて川柳にするのです。心の記念写真です。 (*^。^*)

新聞掲載佳句佳句らしくなってくる  紅雀   ・・・お粗末!・・・
Commented by attainmentofall8 at 2012-06-22 06:15
りんごちゃん、ありがとうございます。なるほど…そうなんですね。
Commented by attainmentofall8 at 2012-06-22 06:19
陽子ちゃん、川柳は心の記念写真ですか。なるほどです。
媒体が大きくなって活字化されればされるほど、人間の鑑賞力は鈍ってくるという見つけですね。さすが。
Commented by 太陽の陽子さん at 2012-06-22 06:20 x
ん??????
なんのこっちゃ?   あ、鍋がたぎる・・・
Commented by 唄ですm(__)m at 2012-06-22 06:31 x
おはようございますm(__)m
なるほど?m(__)m
なるほどですm(__)m
Commented by りんご詩姫 at 2012-06-22 07:27 x
もともと文芸には、正解はありません。
川柳は「座の文学」なので、誰かの句を、みんなで、わいわい合評して、いじくり回すものですが‥‥その結果、最終的に「やっぱり、結局は、元句のままで良いんじゃない~?」に落ち着くなんてことは、日常茶飯事の世界です。
ただ、合評する姿勢と課程が、何よりも大切で意義のあることだと思います。共に討論して、勉強して、学習してゆくのが、川柳の醍醐味なんだと思います。
(*^_^*)
Commented by 太陽の陽子さん at 2012-06-22 08:05 x
はーい! みんな出て行きました (^^)
さて、洗濯機が止るまで・・・・っと!

新聞掲載佳句佳句らしくなってくる  紅雀

媒体が大きくなって活字化されればされるほど、人間の鑑賞力は鈍ってくるという見つけですね。

って、先生! 「なくなる」じゃなくて「なってくる」ですよ!
新聞に載ったら、もともといい句だったものが、もっといい句らしくなってくるということですよ。。。(+o+)。。。

先生という職業は、わかりにくいことをわかるように教えてくれるはずなのに、よもやま先生の場合、時々何でもないことを、かえってわかりにくくしてしまうところがあります。
有り余る知識が邪魔をするんですよね・・・きっと・・・
Commented by 太陽の陽子さん at 2012-06-22 08:22 x
りんごちゃん、さすが、いいこと言うね ヽ(^o^)丿
りんごちゃんの意見に賛成!!
もっともっと、「句を媒体」(^_^;)にして、語り合いましょう!
   :::::先生、媒体の使い方、なっちょる?:::::
Commented by attainmentofall8 at 2012-06-22 08:34
りんごちゃん、おっしゃる通りですね。ご指摘の川柳の醍醐味こそ座の文学の魅力かもしれませんね(^^)
Commented by attainmentofall8 at 2012-06-22 08:35
陽子ちゃん、句を媒体に話に花を咲かせましょう。(゜゜)v
Commented by kojiro-nomama at 2012-06-22 10:40
attainmentofall8 さん良い句が新聞に載ったのですね。おめでとうございます。つばさの翼が大きく
羽ばたきました。
Commented by attainmentofall8 at 2012-06-22 12:16
kojiro-nomamaさん、ありがとうございます。m(^^)m
Commented by 太陽の陽子さん at 2012-06-22 12:40 x
なんか、先生あんまり寝てないでしょう?
さっきから、コメントが変ですよ。ちんぷんかんぷん・・・

ご指摘の川柳の醍醐味こそ座の文学の魅力かもしれませんね(^^)

反対でしょ???
「座の文学」こそが「川柳の醍醐味」・・・だいじょうぶですか?
Commented by りんご詩姫 at 2012-06-22 13:39 x
修ちゃん、この前の「母の粽(ちまき)結び目にあるメッセージ」も、大好きな句でした。
修ちゃんには、センスを感じます。
宝石の原石と同じで、磨けばうんと光るものを持っておられると思います。
文芸の全てのジャンルに共通して言えることは、いかに余分な贅肉を削ぎ落として、美しい「骨と筋肉」だけにするか‥‥です。
痩せる為のダイエットと同じで、これ
がやはり難しい作業です。
とくに、他人の句なら隅々まで見えていても、自分の句の欠点は見えにくいから困るんですよね。ゴルフのスイングで、ヘッドアップしていても、自分では判らないのと同じです。
だからこそ、人の意見に耳を貸す姿勢が大切だし、そういう素直な人間は、必ず成長があります。
私も、より精進したいと思います。





!(^^)!
Commented by りんご詩姫 at 2012-06-22 20:48 x
灘高校の伝説の国語教師、橋本武先生が、テレビに出ておられます。中勘助の「銀の匙」を教材にして、横道にそれながらの授業の大切さを実証された素晴らしい先生です。
川柳にも通じる勉強法ですね。
(*⌒▽⌒*)
Commented by attainmentofall8 at 2012-06-22 21:30
夕べはあまり寝てないのでボーってしているかもしれません。(@@) りんごちゃんに褒められて今夜も寝れなくなりそう~(笑)
橋本先生今日もやっていますか?!もうかなりのご高齢ですよね。先生の中勘助の「銀の匙」を使った授業は、大変参考になります。教師も準備が大変ですから容易にまねはできませんが。広く浅くではなく「狭く深く」すすめる授業は、大事な要素をたくさん含んでいますよね。
Commented by りんご詩姫 at 2012-06-22 23:46 x
橋本先生は、音年百歳です。
「これから何かやりたいことがありますか?」の質問に「まだまだたくさんあります」とのお答えでした。凄いよね。
(*^o^*)
Commented by りんご詩姫 at 2012-06-23 01:44 x
さっきのメール、音年は御年(歳)の変換間違いです。訂正!!
m(_ _)m
Commented by attainmentofall8 at 2012-06-23 07:20
リンゴちゃん、ありがとう。橋本先生や日野原先生のように100歳になっても、「やりたいことがたくさんあります」と言えるようになりたいですね。
Commented by 太陽の陽子さん at 2012-06-23 08:05 x
りんごちゃんへ~~~コメントの削除・訂正法~~~

私も知らなくて、まりんちゃんに教えてもらったんだけど。
コメントの名前の横、端に×があるでしょう?
ここをクリックすると、削除用のパスワードを訊いてくるから、入力すると、消えますよ。だからその前に本文をコピーしておいて、削除後に貼り付けて、訂正してから送信するといいです。
私、同じコメントを4~5回いじったことがあるよ(^_^;)
Commented by りんご詩姫 at 2012-06-23 09:59 x
陽子たん、おはようございます。
コメントの削除法、教えてくれて、どうもありがとう。
次回からやってみます。感謝!!
(#^_^#)
Commented by marin at 2012-06-23 12:21 x
久しぶりにPCの前に座ったら、なんてこった!(@_@;)

夜~夜中~明け方~朝~昼間~夜~夜中~朝と
途切れなく続いているコメント!
みんな元気やね~~
何か特別な物、食べてる?飲んでる?打ってる???

2~3日サボると付いて行けないよもやま学園
学校と違って、補講なし、履修なし だから、自力で
追いつかなくちゃ(^_^;)

修ちゃんの句も光ってるけど、ブログ内容もGOOD!です。
こちらも新聞に乗せたいですね。
一年前、私も念願の特攻記念館へ行きましたが、資料館を
出るときは、気持ちがおも~~~くなっていて、言葉も失くしてしまいました。その重い気持ちを払拭するために、私が取った行動は
カメラを戦闘機や肖像、石碑に向けて、撮り続けたことです。
じゃれあった子どもたちの気持ちがよくわかります。

Commented by marin at 2012-06-23 12:22 x
つづき・・・

数週間で飛行技術を身に付けた優秀な学生が、何人も何人も
命を散らせていった戦争・・・・・・
この優秀な学生が生きていたら日本はもっと変わっていたかもしれないなぁって思ったり、終戦がもっと早ければよかったのにとか、残された家族の本音はどうだったんだろうかとか、いろいろ考えさせられることが多い知覧でした。
今、自分がここにあるのは、多くの方の犠牲があってのこと。
感謝と哀悼と合掌。
Commented by りんご詩姫 at 2012-06-23 15:37 x
まりんちゃん、なんか久し振り~。
私も、昔、知覧の特攻館に行った時に、胸が締め付けられて、たまらない気持ちになりました。
特攻隊員の少年たちの最期の手紙の数々、その字の上手さ、文章の確かさ、純粋無垢な心情には、敬服して、涙が出ました。
心に残る手紙の中に、継母に宛てたものがありました。「一度も〈お母さん〉と呼べなかった僕を許してください。優しかったお母さん、本当にありがとうございました。行って来ます」というような内容でした。
戦争には大反対ですが、あの頃の若者は、みんな素晴らしかったような気がしています。
今の世の中は表面は平和だけれど、なんだか無機質で無関心で無感動な若者が多い感じがして‥‥嘆かわしいわ。
(*_*)
Commented by marin at 2012-06-23 16:17 x
りんごちゃんも知覧に行ったのね。じゃれあう子どもたちの、心のうちがわかるよね。
同行した石原先生への照れもあるかな。

薄暗い兵舎の中で書いた最後の手紙には涙が出るよね。
私は手紙を読みながら、戦火に散った若者と息子とををだぶらせていました。私は命がけで産んだ息子を戦場へ送るだろうか?
お国の為に、喜んで息子を差し出しただろうか・・・・・

そう思いながら、与謝野晶子の
「君死にたまふことなかれ、末に生れし君なれば、親の情けはまさりしも、(以下忘却)
と言う手紙を思い出していました。

りんごちゃんの言う通り、日本は戦争こそしていないけど、小さな小競り合いから殺人まで、日常的に行われている現状があるよね。本当に嘆かわしいわ。

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by attainmentofall8 | 2012-06-21 19:31 | 俳句/短歌/川柳 | Comments(30)