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日々の雑感


by さむちゃん
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句の解釈

春の雨男の荷物積み残す 紋章
この句に対して皆さんコメントでいろいろ解釈してくださいました。主に、「男の荷物」をどう解釈するかに集中していたようです。

マリンさん:男の荷物は奥さん??で笑わせてから、正義感、使命感、責任感かな…と。

太陽の陽子さん:転勤でやむなく離れる職場やその地域に、残していく何かの思い。

りんご詩姫さん:男の人の人生には、様々な荷物が山積みなので、何か一つのものを指しているわけではないと思います。その肩には、いつも責任や義務や義理や人情が重くしかかっています。親への孝行、世帯主としての妻子への責任、恋人や友達への約束、上司や同僚や部下への義理人情、肩書きが背負う社会人としてのプライド‥‥もろもろいっぱいの「荷物」

結局、「積み残す」との関係が明示されないまま未消化状態でした。僕は、「の」を主格の「の」と理解しました。季語でもある「春の雨」の情のあるやさしいイメージから、男が荷物を積み残していったあとに、怒るという感情よりもほのかな憐憫、同情、慈しみのような感情が湧いてきたのかなというようにとりました。

紋章さんの登場で疑問が氷解しました。自解によれば、『そんなに深い意味はありません。女性が春の雨に誘われ、旅に行くのだけれど、じぶんの荷物だけ、車に積んで、一人旅に出てみるのもいいかなあと思っただけです。』

「やられた~」という感じです。同格の「の」に近いものだったようです。今回の句の解釈で感じたのは、「男」が出てきたら「女」を、「荷物」なら「お荷物」まで重層的に思いを巡らせるべきでした。「積み残した」ですから、男は旅にいっしょに行けるつもりで旅支度していたということです。ということは、かなりシリアスな場面が想像されます。男を忘れてしまうほどの艶な「春の雨」だったのでしょう。

解釈の複数性は短詩系の川柳、俳句の宿命かもしれません。単純な客観描写だけでなく作者の自己投影が句の奥行きを深めているとしたら、作者の人物像や背景知識なしには完全な理解はありえないとも言えます。

考えようによっては、あいまい性が面白さを演出することもあるのかもしれません。毎日新聞の季語刻々欄を書いている俳人坪内稔典の「たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ」など未だにわかったようなわからない句です。(笑)

どこかの川柳のある句会でこんな話があったと聞きました。「偶(たま)になら煙たい小言受け入れる」という句を、ある選者が秀句として選ばれたそうです。そして講評で、じゃんけんのグウという言葉の措辞がいいですねと言われたそうだ。まあ、誤読や誤解やらで読み手は勝手な解釈をしているということでしょう。読み手のレベルに応じて理解が深まるというか、選者を越える句を作っても無駄になるということでしょうか。
Commented by 校長 at 2012-01-19 00:53 x
さむちゃんの鑑賞のように、男は一緒に行けると思っていたのですが、おいてけぼりにあったのです。
 作者の環境なんて選者に分かるはずがないので、私は自分に置き換えて鑑賞しています。
 さすがさむちゃん。
今、宮日新聞の小説が、村上龍の「55歳からのハロウライフ」というもので、とても面白い。始まったばかりで、是非宮崎の方は読んでね。五木寛之の「親鸞」が終わって次に出た連載です。離婚した女性が結婚相談所で相手を見つける物語。
Commented by marin at 2012-01-19 03:31 x
修ちゃんの言う「読み手のレベルに応じて理解が深まる」
まったくその通りですね。
しかし、女性の視点と男性の視点が全く違っていましたね。
「やかまし娘」の口から、「置いてけぼり」の推敲なんて出ていませんものね。 
男性二人が、おいてけぼりをくったとか、憐憫、同情、慈しみのような感情が詠みとれたとか、これって経験の中から推敲されるものなのかしら?って、ふと思いました(笑)

おさむちゃんの
「男を忘れてしまうほどの艶な春の雨だったのでしょう。」
この雨が「愛人」だったらシリアスを通り越して、事件?(笑)
Commented by attainmentofall8 at 2012-01-19 09:14
まりんちゃん、結局句の解釈って、読み手のボキャブラリーと経験に照らして無意識にやっているんじゃないでしょうか。季語の「春の雨」を、愛人ととるのは、確かに”事件”でしょう。春の雨に限らず雲や風、ぽかぽか陽気に誘われて、ふらっと出かけてみたいことあるんじゃないでしょうか?
Commented by marin at 2012-01-19 09:47 x
ひとりで、「ふらっと出かけてみたいこと」 ありますよ。
そんなときって私は、心がしぼんでいたり、疲れていたりしているときが多いかも。
リセットしたいから人や自然などからエネルギーを吸収し
たくなるのかも。
心のバランスって大事ですよね。

Commented by りんご詩姫 at 2012-01-19 11:35 x
一昨年の「川柳番傘誌2月号」に掲載された私の下記の句は、選者の先生の解釈が、私の意図したものと全く逆だったので‥‥思わず苦笑いでした。

始まりは義理チョコだった小夜嵐(まゆみ)

選者評は「最初は義理チョコだったのが、やがて本命に変わり、今はラブラブで幸せいっぱいの作者の気持ちが〈小夜嵐〉に上手く表現されている」って感じになっていました。

しかし、作者の私は「男性が一つの義理チョコを貰ったが故に、それが元で、カップル(恋人や夫婦)の間に喧嘩〈小夜嵐〉が起きた」というストーリーで作句したのでした。

たった十七音字の世界なので、作り手(作者)と読み手(鑑賞者)の解釈が一致しないことは、よくあることです。そして、それも許されるのが短詩型文芸としての川柳の特徴であり、面白さだと思います。

(^-^;)
Commented by 太陽の陽子さん at 2012-01-19 12:18 x
・・・・・ぱす・・・・・(>_<)・・・・・

は、しないよ! (*^。^*) でも、今日は忙しmaxだから、あとでね。
りんごちゃんのコメント、「つばさ」の自由席に欲しいなぁ~
Commented by attainmentofall8 at 2012-01-19 16:02
りんごちゃんの句の取り違えも興味深いですよね。小夜嵐の小夜のイメージから選者は、作者の幸せいっぱいの気持ちととったわけでしょうが、小夜嵐は夜吹く強い風ですからそうなりませんよね…。(笑)
Commented by attainmentofall8 at 2012-01-19 16:04
校長先生~いい話題の句を提供いただき有難うございました。まりんちゃんが最初、句意を?というのが始まりでしたが、勉強させてもらいました。直接本人に聞くのが一番だというのがわかりました。
宮日新聞連載の小説おもしろそうですね~チェックさせてもらいます。ありがとうございます。
Commented by marin at 2012-01-19 17:05 x
よもやま学園、今日の昼間は臨時休校だったね。お仕事してる人が多いから、夜は何人か登校してくるかな?
修ちゃん、また校長室に行って、黒板に書いてある句をちょろまかしてくるね。
夕方からまたお仕事だね。エネルギー補給はしてますか?(笑)

「小夜嵐」って言葉は知りませんでした。
夜吹く強い風のことなんですね。
入力しときます。

Commented by 国立の干し at 2012-01-19 23:17 x
修先生曰く、「結局句の解釈って、読み手のボキャブラリーと経験に照らして無意識にやっているんじゃないでしょうか」  実はこれ、ロラン・バルトという哲学者が「作者の死」という理論で展開していますね。
ロラン・バルトによると、ある作品(テキスト)を作った人がその作品において何を意味しようとしたかという事はさほど重要ではないと言っています。つまり、今までの文学などの評論は作家論でしかなく、「作者がこの作品の意図をどう考えていたか」によって作品の解釈が決まりました。「この人は本当はこういうことをいいたかったのである」などと、私たちもよく学校で教えられましたよね。でも、バルトの理論では、テキスト(あるいは作品)は作者一人の意図により構成されるのではなく、むしろ、「読者がこの作品の意図をどう考えるか」によって作品の解釈が決まるのだとされました。つまりその作品の所有権が作者から、それを手に取り実際に読む読者へと移ったのだという事ですね。従ってそれゆえ批評する人々は、その解釈を一つだけに限定する事はなく、「自由な戯れ」の空間として扱うべきであると彼は言っています。いわく「作者の死」です。
Commented by attainmentofall8 at 2012-01-19 23:36
なるほど~さすが☆さん。ありがとうございます。
要するに作者の手を離れた瞬間に読者に理解と解釈はゆだねられるということですね。その意味において作者は死んだも同然になるわけですか…。
Commented by 太陽の陽子さん at 2012-01-20 00:20 x
あ! ☆さんだ・・・梅干しになってる・・・昔「梅干し殿下」っていたね・・・

つまり、読み手の自由で、作者は「いいえ、ちがいます」などとは言えないんですね。
じゃあ、やっぱり「短針の句」はそうだ・・・(*^。^*)

私は川柳の評で、「なんだかよくわからないけどいい」っていうのが好きです。
理屈じゃなくて、何か惹かれるのもがある。川柳を分析してああだこうだと言ってみても始まらない。句全体から受けるイメージが大切。
先生の、「昨日より進化したかな爪を切る  夢修」 これもなんだかよくわからないけど、いい感じがする。

「春の雨」に、私は人事異動を重ねて読んだけど、みんないろいろだったね。「みんなちがってみんないい」んだね。
Commented by りんご詩姫 at 2012-01-20 03:49 x
昔、遠藤周作の小説が現代国語の教科書に載りました。それで、テストに「主人公の、この時に気持ちはどんなものだったかを答えなさい」という問題が出ました。小説の作者の遠藤氏が、この問題の正解を聞いて「へえー、そうだったのか。知らなかった」と言った‥‥と言う笑い話があります。
Commented by marin at 2012-01-20 03:58 x
りんごちゃん、お仕事終わった?お疲れ様。
今日も素敵な出会いがあったかな?
お化粧を落として、歯磨きして、寝ようね。

学校のテストには、「この時の気持ちを書きなさい」みたいな問題はいつもあったよね。今思えば正解は一つじゃないよね(笑)
おやすみ、りんごちゃん。
Commented by 太陽の陽子さん at 2012-01-20 08:02 x
りんごちゃん、さっそく原稿をありがとう!
頑張って、つばさ44号を仕上げます。先生も葦群大会の参加記をありがとう!お二人のおかげで、「つばさ」が、グレードアップします。もちろん、校長先生も (*^。^*)
みんな、みんな、ありがとう!!!
Commented by attainmentofall8 at 2012-01-20 09:05
遠藤周作の話聞いたことがありました。たしか井上ひさしも同じような体験があったようです。りんごちゃんのコメントで思い出しました。ありがとうございます。入試で答えを一つに決めるなんてナンセンスだということですよね。今は文中に書かれている言葉から正解を出すというのが、現国の基本になってきてはいます。狐狸庵先生といえば高校生の時読んだ「海と毒薬」には衝撃を受けました。
Commented by attainmentofall8 at 2012-01-20 09:09
陽子ちゃんの指摘の「なんだかわからないけどいい」という講評よく耳にしますね~。直感的に飛び込んでくるというか…。まあそういう選もありですね。
Commented by りんご詩姫 at 2012-01-20 19:24 x
遠藤周作氏の「海と毒薬」は教科書にも載ってたし、映画も見ました。
彼はカトリックだったせいか、深い小説が多かったですね。
「沈黙」にも感銘を受けました。

神の手のケータイ着信拒否のまま(まゆみ)

数年前の延岡市民川柳大会で推薦句賞をいただいた句ですが、この句のテーマも、やはり「神の沈黙」です。
人生の道は、人間が自分で切り拓いて行かなくてはならないのだと考えています。
( ̄∇ ̄)
Commented by attainmentofall8 at 2012-01-21 02:22
りんごちゃん、いつの間に映画みているの?(笑)話題作でしたね。教科書に載ったのは知りませんでした。抜粋ですよね。神の沈黙をテーマにした秀吟ですね、賞を取ったのもうなずけます。キリスト教と言えば、三浦綾子さんの小説もそうですね。「塩狩峠」では自己犠牲がテーマになっていますよね…。
Commented by りんご詩姫 at 2012-01-21 04:06 x
現在の趣味である川柳もフラメンコも、2001年から始めました。
実は、その前は映画鑑賞と音楽や舞台鑑賞が、最大の趣味でした。映画は年間 100本以上を映画館で見てました。それ以外の映画を、レンタルビデオで、やはり年間 100本は見ていたかと思います。宮崎で誰よりも一番数多く映画を見ていた人間は、絶対に私だろうと自負していました。「海と毒薬」も、その頃に見たんです。
他に、音楽や舞台にも、日曜祭日と、土曜の日中に公演されるものには、片っ端から足を運んでいました。
現在は、映画を見に行く時間のゆとりがないので‥‥ちょっと残念ですが、仕方ありませんね。
(^。^;)
Commented by attainmentofall8 at 2012-01-21 08:21
なるほど…今それが生きているんですね。すごいエネルギーでしたね(笑)一番好きな映画を3つあげるとしたらなんですか?僕は古い映画ばかりですがカサブランカ、ひまわり、ベンハーです。
Commented by りんご詩姫 at 2012-01-21 17:51 x
好きな映画は、断然「ひまわり」。
お勧めは「運動靴と赤い金魚」(たしか、イラン映画)。
スティング、ニューシネマパラダイス、ライフイズビューティフル‥‥いっぱい、ありすぎる。
邦画なら、砂の器。
(#^_^#)
Commented by attainmentofall8 at 2012-01-21 18:34
「運動靴と赤い金魚」いい映画のようですね。蔦屋でこんど見てみます~あるかな?ありがとう、りんごちゃん。V
Commented by marin at 2012-01-22 04:28 x
りんごちゃん、沢山の映画を見てるんだね。ソフィアローレンの「ひまわり」は若い時に見たことがありますが、年を重ねた今見ると主人公とさほど年齢もかわらない、人生経験も重ねている分、ぜんぜん違った見方ができそうな気がします。

りんごちゃんほどは見てないけど、3つあげてって言われても挙げられないよ~
10代、20代、30代・・・・・とその年齢によって共感したり感動したりした作品がたくさんあるよね。
水曜日はレディースデイなので、見に行く時は水曜日が多いです。今週は、トムクルーズの「ミッション・インポッシブル4」を見ました。時間があるときは、一日に2本見ることもあります。
来週は「山本五十六」を見ようと水曜日はあけて有ります。

名作と言われる映画は、何度見てもいいよね。
エクソシストを劇場で見て以来スクリーンではホラーや残虐ものは見てません。テレビで充分です。

映画の挿入歌や音楽によっても印象や感動が違ってくるよね。
「ALWAYS3丁目の夕日」もチェックしてます。
Commented by りんご詩姫 at 2012-01-22 05:12 x
お勧めの映画を少し紹介いたします。

「運動靴と赤い金魚」
イラン映画、1997年。モントリオール国際映画祭グランプリ。

「レッドバイオリン」
カナダ=伊映画。1998年。
アカデミー作曲賞。

「愛と哀しみのボレロ」
仏。1981年。

「ワンスアポンアタイムインアメリカ」
米。1984年。

「スタンドバイミー」
米。1986年。

「アマデウス」
米。1984年。

「ショーシャンクの空に」
米。1994年。

(^_-)
Commented by marin at 2012-01-22 05:30 x
りんごちゃん、お疲れ様。
「スタンドバイミー」「ショーシャンクの空に」は見たよ
「愛と哀しみのボレロ」「アマデウス」もずいぶん昔に見てるよな・・・

私も、TUTAYAに行ってみます。


Commented by りんご詩姫 at 2012-01-22 14:04 x
邦画の「泥の河」も好きでした。
パントマイム芸人の故「マルセ太郎」の映画再現芸(一本の映画を独りで語り演じる)の「泥の河」も最高でした。マルセ太郎の「スクリーンのない映画館」、もっと見たかったな‥‥。
(*_*)
Commented by りんご詩姫 at 2012-01-22 14:48 x
全くの偶然ですが‥‥今日は、マルセ太郎の命日でした。こんな日に、彼を思い出すなんて‥‥。
笑いの中に哀愁のある、何とも言えない愛すべき芸風、芸人でした。
国立の☆さんは、マルセ太郎をご存じですか?
(+_+)
Commented by attainmentofall8 at 2012-01-22 17:55
まりんちゃん、りんごちゃん映画についてのコメントありがとうございます。映画はいいよね~。
立川志らくさんの映画落語も面白いですよね。
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by attainmentofall8 | 2012-01-18 23:39 | 俳句/短歌/川柳 | Comments(29)