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日々の雑感


by さむちゃん
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大伴家持

大伴家持_a0158075_22193399.jpg
大伴家持(718?~785)といえば、万葉集の編纂にかかわった歌人として有名である。小倉百人一首の、次の歌でよく知られている。
かささぎのわたせる橋に置く霜の白きを見れば夜ぞ更けにける

ところが薩摩川内駅前のブロンズ像を見て初めて知ったのだが、実は奈良時代の律令制度下における高級官吏としての顔もある。

ウィキピディアによれば、757年に橘奈良麻呂の乱に連座して薩摩守として764年から767年まで薩摩の国司として勤めているのである。いわば左遷である。国司は大化の改新でつくられ701年の大宝律令で中央集権的な律令制が確立すると、戸籍の作成・田地の班給・租庸調の収受などを取り締まる地方の最高職となった。

鎌倉時代・室町時代にはそれぞれ地頭・守護が、国司にとってかわり安土桃山時代を通じて名目上の職務になった。江戸時代には大名や旗本が代務するかたちで続き、明治維新の時廃止されたとある。

関東では何度か聞いたことがあるが、薩摩守というと平忠度(たいらのただのり)から無銭乗車のことをいう言う隠語である。ただ乗りは薩摩の守(かみ)となるわけである。あまりいい連想ではないが、警視庁には創設当初から薩摩藩出身の人が多いのでこういう隠語が生まれたのかもしれない。

閑話休題
写真の中の歌は、万葉歌から採ったものである。
新しき年の始の初春の今日降る雪のいや重け吉事
(あらたしき としのはじめの はつはるの けふふるゆきの いやしけよごと)

ほかに万葉歌から二首見つけてみた。
あしひきの山桜花一目だに君とし見れば吾恋ひめやも
吾が宿の萩咲きにけり秋風の吹かむを待たばいと遠みかも

やはり家持は官吏というより歌人としての通りがいいのもうなずける。
大伴家持_a0158075_2219565.jpg

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by attainmentofall8 | 2011-06-13 22:20 | 俳句/短歌/川柳 | Comments(0)