日々の雑感


by さむちゃん

強運なギフォーズ議員

昨日アメリカ人男女二人と話している中で、8日にアリゾナで起きた銃乱射事件の話になった。

6人が死亡、13人が負傷した大惨事である。ガブリエル・ギフォーズ下院議員が頭を撃たれ重傷を負った。民主党の女性議員であるギフォーズ氏が報告会を開いている最中に背後から近づき乱射したという。

驚いたのは、ギフォーズ議員は、銃弾が頭部を貫通したにもかかわらず緊急手術で一命を取り留めたそうだ。信じられないような、奇跡的な話である。強運の持ち主に違いない。銃弾はふつう回転しながら飛ぶので入ったところと出たところでは穴の大きさが違う。出口はかなり大きな銃創になっているはずだ。銃社会ゆえに銃創に対する外科手術が発達しているのだろう。まさにブラックジャック並の外科手術と言えるのではないか。

ギフォーズ議員が退院してからどんな発言をするか興味深い。彼女は、銃所持の権利については擁護の立場をとっていた。南部の保守色の強い選挙区だから選挙区の事情に配慮したということだろうか。医療保険制度改革法やなんやで、保守系の議員・特に茶会運動を支持する議員たちから落選させたい議員として標的になっていたようだ。

アメリカでは銃乱射事件があるたびに、銃の所持を禁止する法案が問題になるがいっこうに決まらない。1993年にブレイディ法で、短銃などの販売に5日間の猶予期間をもうけるとか犯罪者が購入できないようにするといった規制がやっと可能になった。

しかしながら1999年のコロンバイン高校銃乱射事件や2007年のバージニア工科大学銃乱射事件が起きている。日本的な感傷的意見で「銃所持なんてとんでもない」といかないところがアメリカ社会である。移民の国アメリカの特殊事情から、自分の身は自分で守る、という国が世界で一つくらいあっても仕方ないのかもしれない。

ブレイディ法をつくったジェームズ・ブレイディは、レーガン大統領暗殺未遂事件で下半身まひの重傷を負った大統領補佐官の一人であった。被害者でないと真剣にこのような法案に取り組めないのも特殊事情である。全米ライフル協会(NFL)の前では、ほとんどの議員がなすすべもないというところだろうか。

レーガン大統領は、暗殺未遂事件で重傷を負ったとき、病院の外科医たちに「君たちは共和党支持者か?(Are you republicans?)」と訊いたり、奥さんのナンシーさんには「よけそこなったよ( Honey, I forgot to duck)」と言ったり、「一張羅のスーツもだいなしだよ(One of my new suits is ruined)」といったり、ジョークの連発である。それが彼の人気の秘密だったかもしれない。

そこで元に戻ると、強運のギフォーズ議員が第一声を何と発するか全米中注目していると思う。それによっては共和党のサラ・ペイリンの人気をしのぎ、さらには民主党の次期大統領候補に指名されることになるかもしれないと、お見舞いを兼ねて期待している。
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by attainmentofall8 | 2011-01-15 21:36 | 政治/経済