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日々の雑感


by さむちゃん
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フィリピンの遺骨収集

フィリピンでの戦没者遺骨収集事業で、フィリピン人の骨が旧日本兵の遺骨として収集された疑いがあるという。この事業は厚生労働省が日本のNPOに委託しているものである。

フィリピンのルソン島イフガオ州では、現地人が金に目がくらんで墓地をあさって数十人分の遺骨を日本人の遺骨と偽ってNPOに提供しているという。各地で墓荒らしが頻発しているそうだ。

遺骨の鑑定方法が地元の大学教授の鑑定から、発見者の宣誓供述書ももとにフィリピン国立博物館員が確認する方法に変わったことが原因らしい。日本に持ち帰った遺骨が2005年度24柱、2006年度45柱だったのが、2009年には7740柱に激増している。

現地の人の中には、「日本が金をばらまくのが元凶だ。盗まれた骨の魂を鎮める儀式の費用を日本側に払ってほしい」と言う者までいるそうだ。

あきれて開いた口がふさがらない。結局は日本のNPOが、成果を重要視して現地人にとにかく何でもいいから集めて来いと陰ではっぱをかけているのだろう。フィリピン人にとっては円の魅力は捨てがたい。臨時収入がしこたま入るとなれば墓でもなんでもあさって集めるようになるのが道理だ。

ともかく、遺骨収集に携わる日本人が、神聖で厳粛な仕事をさせてもらっているという意識に欠けているからこんなずさんな仕事になっているのだろう。厚労省から棚ぼた式に高額の委託費が入るから、利権が絡んだ仕事にもなっていると推察される。日本人を代表してやっているという、身が引き締まるような矜持も何もあったものではない。

異国の地で無念の涙を流し散った日本人兵を悼む気持ちがあれば、こんながさつな仕事をフィリピンくんだりまで行ってしないだろうにと、同じ日本人として嘆かわしく思う。戦後65年、日本人の戦争に対する意識も大きく風化したうえに、なによりも形骸化した事業に群がる一部の不心得な日本人がいるというのが悲しい。
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by attainmentofall8 | 2010-10-09 01:20 | 雑感 | Comments(0)