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日々の雑感


by さむちゃん
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日中関係緊張

中国との関係が緊張してきている。もちろん先の尖閣諸島における中国漁船と日本の巡視艇との衝突事故で中国人船長が拘束されたことに端を発している。先日船長は釈放され中国から迎えに来たチャーター機で帰国した。

ところが引き換えに釈放されると思っていた日本のフジタ社員4名の解放は未だ実現していない。しかも中国政府は日本に賠償と謝罪を求めているのである。当の船長はVサインをして、また拿捕された海域で操業したいと言っていると伝えられている。

船長釈放後、中国は軟化すると思っていた日本人は多いと思う。しかし今日のニュースによれば、京都旅行を計画していた中国人700名のツアーがキャンセルされたそうだ。中国の繰り出してくるカードは日本経済、観光業界に大きな影響を与えつつあるようにみえる。逆に日本は打つ手なしといった感じだ。仙石官房長官から「中国側に追突された巡視艇の修理費を請求する」と言うくらいしか手持ちのカードがない手詰まり状態だ。

船長釈放に関して、釈放すべきではなかったという意見も多い。日本の体たらくな外交、政権与党の外交音痴を非難する声が高まっている。

今回いろいろなシナリオが考えられたと思う。強硬派の言うように、仮に釈放しないでいたなら今よりもっと強硬な報復を次々と繰り出してきただろう。日本にはそれを受ける覚悟があっただろうか。遅かれ早かれ圧力に屈して、なぜもっと早く釈放しなかったといったことになっていなかっただろうか。

結局現時点では中国側のだすカードに日本はなすすべがない状態に見える。さらに中国はアメリカに圧力をかけるという究極の手も持ち合わせている。実際それを今回使ったかわからないが、残念ながら圧倒的に中国側のカードの多さと多彩さが優れているように思う。

経済や観光のみならず人的交流でも日中は撚った縄のように複雑に依存し合っているという事実がある。そのためこちらを立てればあちらが立たずということで、今回のように経済界や各方面の、日本国内の圧力を恐れる圧力に負けたともいえる。逆に中国は日本一国を切っても痛くもかゆくもないという自信がこのような強硬な報復措置を繰り出させているのかもしれない。もっとも領土・領海に対する覚悟のほどが違う。

結局、日本のその場しのぎの外交が積もり積もって噴出している面もある。長期的視点に立ってさまざまなシナリオを想定してことが起こる前に未然に防ぐ手立てをするとか、いざことが起こったら法と正義にのっとって貫く姿勢がほしい。そのための外交的危機管理が必要だろう。門外漢が傍観してもそう思うのになぜできないのか不思議だ。

実際今回の事件は、日本側は法にのっとって粛々と進めているところに、ある面法治国家でないまた民主主義国家でもない国がごり押ししてきたと言えなくもない。それだけに、今回あのタイミングでの船長釈放以外にどんなシナリオなら日本は優位に立てたのか建設的な意見がほしい。感情的な中国批判でなく建設的互恵関係におけるゲームとしての外交を考えた意見を出したうえでの中国批判が聞いてみたい。
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by attainmentofall8 | 2010-09-27 21:05 | 政治/経済 | Comments(0)