卑弥呼に学ぶ100歳
2010年 04月 25日
今日、永山久夫氏の講演を聞く機会があった。永山氏は日本人の長寿の秘密を探るべく長寿村を訪ねたりして長年研究されている方である。特に古代食文化に詳しい。本日のテーマは卑弥呼に学ぶ食事。
魏志倭人伝によれば、邪馬台国が栄えた弥生時代後期つまり今から1800年ほど前のころ、倭人(古代日本人)は大変に長寿で「其人寿老、或百年、或八九十年」とある。8、90歳また100歳まで長生きしている人がいるというのである。
倭人長命の背景として魏志倭人伝には「倭地温暖、冬夏食正菜」、後漢書倭伝には「気温暖、冬夏生菜茹」とあるそうだ。両書とも同じような内容で、「倭の国は温暖で、冬も夏も野菜が豊富であり、ゆでる程度のあっさりした調理法で食べている」。菜茹とは今でいうスープにあたるそうだ。
野菜を栄養学的に見ると、ビタミンEやC、カロチン、その他のビタミン類、カリウムなどのミネラル、繊維質などを薬効成分といっしょにとるわけだから料理は簡単なほどその効果は大きくなる。新鮮な野菜には体細胞を酸化させる活性酸素を追い出す役目を果たしている。
新鮮な野菜の摂取量と寿命が比例するのはよく知られており、不老長寿には野菜は不可欠だ。
野菜には、走り、旬、名残り、時無しとある。現在の無季節野菜つまり時無し野菜ではなく、季節ものの野菜が理想とのことだ。走りは出始めの10日間、旬は出始めの後の10日間で抗酸化成分が多い、名残りは最後の10日間で熟し柿みたいに酵素成分が多い野菜を言うそうだ。
もちろん古代食の基本は、穀類(米、粟、きび、他の雑穀)、豆類、青物、根菜類などのバランスのいい食事だ。
幸せホルモンといわれるセロトニンを分泌させるために朝日を浴びることと、ナチュラルキラー細胞といわれるNK細胞を活性化するために日常生活の中で前向きに明るく笑いが多くなるような気持ちの持ち方が必要だという。
100歳を目指すのも容易なことではない。日ごろの心がけの積み重ねが結果として100歳という長寿をもたらすといえる。もちろんポックリ亡くなる直前まで自立した老人でなければ100歳まで生きても意味がないのだが・・・。
by attainmentofall8
| 2010-04-25 21:06
| 食
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