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日々の雑感


by さむちゃん
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労働観


労働観を日本と欧米で比べてみると、日本人は労働を善とみなし欧米人は悪と考えているところがある。
欧米では労働を神から与えられた試練・苦行と捉える傾向があり、一方日本では労働イコール修練・人間修養のために戴いたものととらえる伝統がある。ホテルの駐車場係りが千人以上の顧客の名前と顔を覚えていて訪問客を感激させるなどまず日本以外では考えられないことであろう。一般的にいってどんな職場にも、その仕事を極めるといった趣で働いている人が必ずいるものだ。単純作業といえどもいかに効率的に正確にこなせるかを競う傾向もある。日本人の優秀性のひとつの特徴といえる。欧米では職業そのものが階級を表すのでそういった向上心・探究心が生まれないのかもしれない。
イエローハットの創業者鍵山秀三郎氏はトイレ掃除で人間修養を実践されていることで有名な方だ。社長がトイレ掃除をすること自体がユニークであるが、便器に手を突っ込んでぴかぴかに磨き上げる技には感嘆する。僕もある経営者の方の紹介で鍵山氏を招いた実践清掃会に参加したことがある。みんなが嫌がるトイレ掃除を嬉々として実践し、しかもぴかぴかに磨きあがったときには確かに自分のなかに何かが変化したことが実感できた。不思議な体験であった。
家庭においても会社でもトイレが綺麗だと使う人の気持ちに間違いなく変化が生じるだろう。会社であればそれが顧客との関係、取引先との関係を好転させる可能性だってある。
自動車会社のスズキの会長鈴木修氏も工場内の清掃を徹底されていることで有名だ。工場内の床が塵ひとつ無いほどに掃き清められ、換気扇の羽一枚にいたるまでピカピカの状態を常に求めたそうだ。一事が万事。部品ひとつの欠陥、ミスが大きなリコール問題になるかもしれない工場においては清掃がきわめて重要ということなのだろう。日本の自動車産業が優秀な理由のひとつは意外にこんなところにあるのかもしれない。
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by attainmentofall8 | 2010-04-04 10:22 | 雑感 | Comments(0)