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日々の雑感


by さむちゃん
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措辞、言葉の妙味

俳句は575の17音字であるので、季語を使うと自由に使える音字が当然制限されてくる。そこでどのような言葉を季語とぶつけるかという措辞の問題がある。今まで作られては消えていった俳句まで含めたら類句は数限りないのではと思う。言葉と言葉の響きあい、そしてそのなかでいかに景を詠み心情を詠みさらにはもろもろの想いを託せるかが大切になってくる。
 読売新聞の夕刊に角川春樹氏の魂の一行詩というコラム欄がある。そのなかに「トースターの熱線二本猟期来る」という俳句が取り上げられ絶賛されたことがあった。講評のなかで、氏は次のように書いている。座五の「猟期来る」に対して、上五中七の「トースターの熱線二本」の措辞は抜群の表現力。一句全体の言葉が緊密に結びつき、余すところがない。例句の全てを凌ぐ秀作である。とたいへんな褒めようである。正直なところ僕は未だもってこの句の良さが理解できないでいる。角川氏は措辞という基準をとても大切にしている俳人の一人だろう。日本には何千何万もの俳句の結社がある。それぞれに特長があり主宰者のポリシーが違うので採り上げてもらう句に差があって当然だ。

以前句会で主宰者に措辞を評価してとってもらった句がある。「脇差に丁髷所望蕎麦の花」言葉の軽みとはずみで何となく蕎麦の花に「脇差に丁髷所望」とぶつけてみた。句会後にある方から、蕎麦屋に脇差、丁髷というメニューでもあるんですか、と訊かれたときには吹き出してしまった。まあでもそれもありかなと思うし、そんな蕎麦屋があってくれたらなあと密かに願っている。
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by attainmentofall8 | 2010-04-02 20:36 | 俳句/短歌/川柳 | Comments(0)