日々の雑感


by さむちゃん
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

トランプ対ヒラリー

アメリカ共和党全国大会で、ドナルド・トランプが共和党代表として正式指名されたようだ。
これで民主党のヒラリー・クリントンとの対決に移るが日本にも大きな影響を与えるだけに興味津々である。

選挙戦のレトリックを差し引いても過激すぎる発言を繰り返すトランプには辟易する。テロが頻発している国際情勢や、アメリカ国内での移民問題・人種間問題など考えると、難題を一網打尽にしてくれそうな候補に見えるのかもしれない。しかもトランプはWASPの代表とみなされているようだ(白人で・アングロサクソン系で・プロテスタント)大統領候補としては、欠点や粗削りな面があっても打ってつけの候補でもある。当選後は現実的な路線になるだろうという期待があるのかもしれない。

一方、黒人大統領が二期務めたので今度は女性大統領をという期待もあるようだ。パートナー国でもあるイギリスで女性首相が誕生したばかりなので風は吹いているのかもしれない。

よみうり本社版に掲載された川柳
トランプはジョークだったと笑える日 逸郎
上手い!と唸ってしまった。さすが時事川柳の第一人者だけある。
[PR]
# by attainmentofall8 | 2016-07-20 22:27 | 政治/経済

俳句の余情

きょうは、ひと月ぶりの俳句会であった。

補助金の申請書記す夏の月
に対して、もろに詠まないこと、余情を読者に連想させるようにつくること、という指摘を受けた。

俳句は詩であるので、事実をそのまま詠むものではないということはわかるが余情を出すというのは難しい。明鏡国語辞典には、余情=詩歌などで表現の背後に感じられる情趣とある。

俳句は寄物陳思(物によせて思いを陳べる)の詩であると主張した山口誓子の句をみてみれば余情という言葉の意味が分かるかもしれない。

夏の河赤き鉄鎖のはし浸る  

川ではなく河。そこに停泊している船から垂れ下がっている鎖だろうか。その先端が水の中に没しているという情景だけである。感動を生んでくれた情景を写生することに徹しているように思える。うだるような暑さに「じゅぅ~」と音をたてて鉄鎖が冷やされているような感じもする。鉄鎖さえ水を求めてだらーんと垂れ下がっている様子から、屈強な男の虚脱感や倦怠感すらイメージさせる。

五七五という制約の中で全てを表現することは不可能だから、感動の余韻・余情をいかに読者に感じ取ってもらえるかが佳句の分かれ目なのだろう。

春の蟻父知らぬ子の小銭入 丸山眞

春の蟻のシンボリックな意味が解らないと丸山先生の句は十分鑑賞できないだろうが、以下の句でニュアンスを探ってみたい。
春の蟻アロエの剣の刃を渉る 脇本星浪
春の蟻はや石亭の庭走る 迫田健路
春の蟻まだ列なさず女寺 矢萩シン
春の蟻とばされながら行方もつ 小檜山繁子
春の蟻はや天日に焦げにけり 阿部みどり女

上掲句から、春の蟻はなんとなく弱弱しいイメージながら、社会性を身につけながら集団に入っていこうとする真面目さ・一途さ・危うさがくみ取れる。しかも丸山句は父のいない母子家庭の少年である。その少年がもつ小銭入れ。境涯句でありながら共感されやすい句でもある。
[PR]
# by attainmentofall8 | 2016-07-18 23:26 | 俳句/短歌/川柳

小林秀雄の俳句論

小林秀雄と岡潔との対談本「人間の建設」の中に、小林が俳句に関して大変興味深いことを言っている。

小林の飲み仲間の骨董屋が亡くなる。息子が親父の一周忌に親父の句集を出したいので序文を書いてほしいと訪ねてくる。生前にそんな約束をしていたらしい。ちゃんと日記句帳に書いてあるという。それではということで、句帳をもってきてもらい見てみると、駄作(小林の毒舌だが)ばかりで俳句なんていうしろものではない。

ところが中に「小林秀雄を訪ねる」、「小林秀雄に」などの詞書に続けて、
「毒舌を逆らはずきく老いの春」「友来る嬉しからずや春の杯」といった俳句がある。駄作だが、その親友の骨董屋を知っているだけに味わい深いおもしろい俳句に感じたそうだ。

というのも、彼は李朝のいい徳利を持っていてそれを売りもせずに二十八年見せびらかせながら酒を酌み交わしてきたそうだ。そしてついに28年めに酔っぱらった勢いで「お前が危篤になって電報を打ったら返しに行くから」と言って小林がぶんどったという。ところが彼は電報を打つ前に亡くなってしまう。

まあこのような二人だけがよく知る事情があるので、彼の俳句はおもしろいとしみじみ感じたそうだ。「毒舌を逆らはずきく」というのは、小林が徳利を持って帰ったことで、ちょうどその日に詠まれた句だった。

また、「あれはああいふおもむきのもの海鼠かな」や
「二日月河豚啖(くら)はんと急ぐなり」
海鼠の味などお前たちにゃわからないという含意であり、柳橋で芸者をあげたときの芸者を河豚になぞらえていたりと、結局これらの俳句がわかるのは小林ひとりではないかと…

つまり実物を知っていて読んでおもしろいのが俳句だと小林はいう。芭蕉の名句と言われる句は、芭蕉につき合った人だけに分かっている何か微妙なものがあるのではないか?と小林は語っている。

けっきょく短詩型の悲哀というか鑑賞や批評には限界があるということでもあろう。第二の創造といった逃げで曖昧にしているが、作者をよく知らないと句の本意まではどうしてもつかめないということを改めて認識させられた。
[PR]
# by attainmentofall8 | 2016-07-13 23:40 | 俳句/短歌/川柳
ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく  石川啄木

寺山修司は
ふるさとの訛なくせし友といてモカ珈琲はかくまでにがし

と、啄木俳句をもじりながらも修二独特の換骨奪胎を行っている。生涯青森弁が抜けなかったといわれる修二の矜持からでた一首にちがいない。かごしま弁で言えば、「よかぶって標準語をしゃべんなよ。かごっまべんのしゃべれ」という気持ちだろうか?!

7月16日、17日鹿児島県民交流センターで「第1回かごしま弁フェスティバル」が開催される。かごしま弁の「楽しい、面白い」をテーマにしたお祭りである。

子どもたちに鹿児島弁を伝承していく場であり、鹿児島弁を日常生活の中で使っていきましょうという運動の一環でもある。両日とも“ミスター鹿児島弁”で出演することになっている。鹿児島弁でおしゃべりを楽しんだり、来場者にかごしま弁川柳を作ってもらったりする予定だ。優秀作には賞品があり全員に参加賞がある。
ご興味のあられる方はお運びください。

16日12時~18時
17日10時~16時 
かごしま県民交流センター 大ホール2F・大ホール前エントランス2F
[PR]
# by attainmentofall8 | 2016-07-12 22:08 | イベント・お祭り

川涯利雄エッセー集

短歌の指導を頂いている川涯利雄先生が、最近二冊の本を上梓された。
「川涯利雄エッセー集」と歌集「エロイカを聞く夜に」

エッセー集は、短歌結社「華」の主宰者で歌誌「華」の編集長を80号(現在103号夏号まで既刊)までされていた先生が書かれたあとがきを再編集したものである。ちょっとお手伝いさせていただいた関係でとても感慨深いものがある。

副題が「フィンランディア―感謝と祷り」
華が創刊するきっかけになる城山ホテルでの松山先生の昏倒から始まり、シベリウスのフィンランディアが響き渡る中、川涯先生ご夫妻が乗った飛行機がシアトル空港に着陸するところへと、息つく暇もないようなスリリングな展開であっという間に358ページを通読してしまう。

歌集「エロイカを聞く夜に」は先生の第一歌集だが、今回文庫版での出版である。
こちらも涙なしには読めない必読の歌集である。華の歌会に参加するようになってすぐに読ませてもらった歌集であるが、短歌のとりこになってしまった歌集でもある。
a0158075_1774396.jpg

[PR]
# by attainmentofall8 | 2016-07-08 17:08 | 俳句/短歌/川柳