日々の雑感


by さむちゃん
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華文化講演会

「華」短歌会の文化講演会が、鹿児島市民文化ホールであった。
第一部は七人のパネリストによるシンポジウム「短歌の魅力とは?」
第二部は「現代の喪失」、前華短歌会代表 川涯利雄氏の講演。

シンポジウムは、七人の華の同人が、自己紹介の一首、初めの一首、衝撃の一首、好きな一首を個々に話していくという形式であった。内容的にはすばらしいことを話されているのにシンポジウムという形式に則っていないために、パネリスト同士あるいは聴衆から出た質問に答える討議がほとんどなかったのは残念だった。今回、外部から講師を呼ばないで自前で作り上げた毎年恒例の文化講演会という触れ込みであれば、もっと質問や意見がどんどん出る雰囲気になってもよかったのではと思う。


川涯先生の講演は、岡野弘彦の歌を中心に「現代の喪失」について。
冒頭に、

鳥にあり獣にあり他人にあり我にあり命といふは何をはたらく 宮柊二

という歌を紹介。何をしでかすかわからない人間の不可思議さに言及された。我という漢字は、両手に槍となぎなたを持って人間が本来持っている惻隠の情のような情感を守っているとのこと。

辛くしてわが生き得しは彼らより狡猾なりし故にあらじか 岡野弘彦

岡野氏は特攻を志願するも代々続く神社の宮司を継ぐために親の反対で叶わなかった。亡くなった多くの友人に申し訳ないという感情を常に持っている。鎮魂が日本人には足りないと岡野氏はいう。

坂の上の雲あかあかと夕焼けてまたひとり子が殺されにけり 岡野弘彦

現代人が失ってしまったものを、うたびとの善意で世直ししていく必要があるという結びであった。
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by attainmentofall8 | 2016-08-06 23:05 | 俳句/短歌/川柳