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日々の雑感


by さむちゃん
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言霊(ことだま)


万葉集の山上憶良の歌にもあるように、日本は「言霊の幸ふ国(ことだまのさきわうくに)」である。言葉の霊力・呪力によって幸福がもたらされている国という意味である。詔(みことのり)や祝詞(のりと)に荘厳さや権威を与え、忌言葉(いみことば)を忌避するなどに現れている。推測だが、歴史的には霊力・呪力を強めるためにのリズムを生み出す工夫から575の調べが生まれたのかもしれない。昭和天皇の日本語の抑揚が独特だったが、あれはあれで戦前には詔の有難みを高めていたのかもしれない。

言霊は、言葉を発するとその内容が実現するという一種の宗教的考え方に近いが、日本だけに限ったことではないようだ。日本語は同音異義語が豊富なため、忌避する言葉が多いところに特徴がある。例えば日常的にも、「4(し)」「9(く)」を避けたり「するめ」や「鏡割り」を「あたりめ」「鏡開き」に言い換えたりしている。

有名な海外の創作寓話である「三つの願い」は、「言葉を発するとその内容が実現するという」考えをおもしろく教えてくれている。

むかしむかし、ある山にきこりの夫婦が暮らしていた。
 あるとき、きこりは森の精に「このモミの木は切らないでください。大切な木ですから。」とお願いされる。
了解すると、森の精はお礼に、
「あなたがた夫婦の願いを三つ叶えましょう」という。
きこりは、さっそく妻と願い事を話し合うことにした。
「願い事が、三つも叶うなんて! あなた、何にする?」
「お金持ちになり長生きすることかな…。」
二人は暖炉のそばであれこれ考えるが、決まらない。

お腹が空いていた奥さんは、暖炉の火にあたりながら思わずつぶやく。
「この火でソーセージを焼いたら、おいしそう。こんなときソーセージでもあればいいのに…。」
すると天井から大きなソーセージが落ちてくる。
「しまった!」
奥さんは手で口を押さえたが、手遅れ。
「この間抜け! 大事な願い事が一つ減ってしまったぞ。こんなソーセージなんか、お前の鼻にくっついてしまえ!」
次の瞬間、奥さんの鼻にソーセージがぶらさがってしまう。
「しまった!」
きこりは慌ててソーセージを引っ張るが、ソーセージは奥さんの鼻にくっついたまま離れない。
 奥さんは、泣きながら言う。
「鼻からソーセージを取って!」
ソーセージは鼻から落ちて床に転がる。

「くよくよしても仕方がない。それより今日の夕食は、大きなソーセージだよ」

「幸せは満足にある」(Happiness consists in contentment.)ということだろうか。

Commented by kojiro-nomama at 2013-02-08 12:10
銀も 金も玉も なにせむに 優れる宝 子に及かめやも. (しろがねもこがねもたまもなにせんにまされるたからこにしかめやも)子に勝る宝はない・・・私たちは
(くがね)とよまされたが・・ルビはこがねとなっている。山上憶良のの大好きな和歌です。ブログはよみうりへ・・・更新。
Commented by attainmentofall8 at 2013-02-08 16:18
kojiro-nomamaさんいい歌ご存知ですね。
「値なき宝といふとも一坏(ひとつき)の濁れる酒にあにまさめやも」はどうでしょうか。(^^)
Commented by りんご詩姫 at 2013-02-08 16:40 x
修ちゃんへ
たしか、フランスの童話でしたよね。よく、志村けんのコントにも使われるネタです。
(*^_^*)
Commented by attainmentofall8 at 2013-02-08 22:20
りんごちゃん、フランスの童話でしたか?!ソーセージだからドイツかと思いました。志村けんがコントに使っていたのは知りませんでした。M(^^)M
Commented by kojiro-nomama at 2013-02-09 12:12
attainmentofall8 さん紅雀さん
宮日賞決定!! お疲れさ~Σ(・□・;)ビックリ!ん
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by attainmentofall8 | 2013-02-06 23:58 | 雑感 | Comments(5)