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日々の雑感


by さむちゃん
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日本人の美徳

先般、鹿児島を旅行された方から大変興味深い話を伺った。
周られた場所が知覧や坊津、指宿、薩摩川内などであるが、行く先々で子供たちが挨拶をしてくれるのに驚いたそうだ。

確かに見知らぬ人に対して挨拶をするというのは、都会の人からみたら新鮮な驚きだろうが、僕が小・中学生の時も学校や家庭で大人からよく言われたことである。今でもそのような美徳が実践されていると知りうれしかった。

僕の生まれ育った町は、ひなびた温泉町である。温泉街が通学路になっている。よそから来た湯治客に元気よく「おはようございます」と挨拶ができたということで、朝礼の時校長先生から褒められた生徒がいたことを思い出した。感激した湯治客が学校に電話をされたそうだ。

たまたまこのことに関連した記事を、文芸評論家の斉藤美奈子氏が「名作うしろ読み」という読売夕刊のコラム欄に書いている。

明治時代の初期にイギリスからやってきたイザベラ・バードという女性旅行家が書いた、『日本奥地紀行』(1885)という本がある。三か月間日本の未踏の地を旅した探訪記である。その中に、日本人はみな勤勉で礼儀正しく、子供たちはおとなしく、宿はどこも優秀だと書いたくだりがあるそうだ。蚤と悪臭を除けば、という注がつくそうだが。

話は別だが、大正後期から昭和初期にかけて駐日大使を務めたフランスの外交官ポール・クローデルも『朝日の中の黒い鳥』という著書の中で、「彼らは貧乏だがしかし高貴だ」と書いている。

日本人の倫理感や道徳観が地に落ちたと言われて久しいが、まだ少しでもそのようなよそ様に評価してもらえるものが残っているとしたら日本人としては誇りでもある。
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by attainmentofall8 | 2011-03-04 21:49 | 雑感 | Comments(0)