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日々の雑感


by さむちゃん
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小柴氏の言葉

この季節、各大学の過去問題を目にする機会が多い。

日本医科大学の小論文問題(2004年度)に、ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんが書かれた文章の一節を読んで感じたことを600~800字内にまとめなさいという問題がある。

若い医師、あるいは医学生の方々に私の経験に基づいたメッセージを送りたい。

①「学校の成績が人間の一生を決めてしまうなんてことはない。成績が悪くたってやりたいことはやれる!」― 学業成績は、教えられたことを理解する、いわば受動的認識である。社会は自ら考え、解決法を模索するという能動的認識が大きくものをいう世界である。

②「いつか達成してみたいと思っている『卵』を持つこと」― この卵を持っていると、情報過多の世の中でもおのずと情報の取捨選択ができる。そうすれば、情報に振り回されることなく、効率よく研究が進む。もし運が良ければ卵が雛にかえるかもしれない。

③「人との出会いを大切に!」― 私が今日あるのは良き人々との出会いのおかげである。多くの人との触れあいを大切にしてほしい。

(日医ニュース第1016号 オピニオン「各界有識者からの提言」より抜粋)


小柴氏らしい素晴らしいメッセージであると思う。医師や医学生に限らず万人に通じる金言ではなかろうか。このような問題を小論文のテーマにするところをみると日本医科大が求める医師像の一端が分かって興味深い。

一発勝負の入試で決まってしまう今の医学部の入試選抜方式もいずれ近いうちに変わらざるを得ない流れにあるように思う。学校の成績で、ある基準以上の受動的認識力があれば、あとは本人の意欲と医者としての適性を徹底的に精査する方向へ進んでほしいものである。
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by attainmentofall8 | 2011-01-08 22:47 | 雑感 | Comments(0)