人気ブログランキング | 話題のタグを見る

日々の雑感


by さむちゃん
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

映画「最後の忠臣蔵」

映画「最後の忠臣蔵」を見ることができた。前評判も高いし、友人から「泣けたよ」と聞いていたのでぜひ見たいと思っていた。

池宮彰一郎の同名小説を、杉田成道監督が映画化したもので、役所広司、佐藤浩市、桜庭ななみなどが出演する。

忠臣蔵といえば忠義という名のもとに散った武士の方にスポットが当たりがちだが、この映画は裏の史実に光を当てた話である。赤穂浪士の吉良邸討ち入りで大石内蔵助以下46名が切腹して主君に殉じるのだが、実は討ち入りの前夜忽然と姿を消した瀬尾孫左衛門(役所)と、討ち入り後に生かされた寺坂吉右衛門(佐藤)という二人の武士がいた。

寺坂吉右衛門の方は、大石内蔵助から「真実を後世に伝え、浪士の遺族を援助せよ」という重大な使命を与えられていたのである。一方、瀬尾孫左衛門は、まもなく生まれてくる内蔵助の隠し子を守り抜くという極秘の使命を内蔵助本人から受けていたのだ。

二人は16年後に再会するが、孫左衛門は吉右衛門に対して決して真実を伝えようとはしない。討ち入り前は厚い友情で結ばれていた二人だったのに、孫左衛門は隠し子の可音(かね)のことを詮索されないよう斬り合いまでする。やがて、可音は天下の豪商の嫡男に見初められて輿入れすることになる。

夕暮れ時の輿入れの駕籠に付き添うのは、始めは瀬尾孫左衛門ただ一人。ところが、途中で寺坂吉右衛門が松明をもって輿入れの行列に加わり、その後次々と赤穂藩士の面々が加わってくる。内蔵助の人徳のなせる技だろうか。

瀬尾孫左衛門は内蔵助の密命を無事やり終えて安堵の中に一大決心をする。つまり遅ればせながら四十六士の後に続こうとして壮絶な自決をするのである。

日本人の泣かせどころを知り尽くした憎い場面が要所要所にあってセロトニンの放出全開であった。役所広司、佐藤浩市という名優の名演技に助けられて、時代劇では新人の桜庭ななみの初々しい演技がかえってよかった。彼女は鹿児島出身ということで今後の成長に注目したい。

現代人からは、これほどの強固な忠義は理解を超えるところがある。孫左衛門が、内蔵助から「わしに命を預けてくれぬか」と言われて、京にいる愛人とやがて生まれくる子の身の上を託され、当面の金と紋付き袴を預けられる場面はこの映画の最大のやま場である。
Commented by ちんねん at 2010-12-29 09:57 x
見たいと思っていた映画でした。
鹿児島には、木下サーカスも来ているし、映画も見たいし
正月から忙しい。
Commented by attainmentofall8 at 2010-12-29 23:10
やっぱり映画はいいですね~(^^)v
名前
URL
削除用パスワード
by attainmentofall8 | 2010-12-27 06:25 | 映画/落語/芸能 | Comments(2)