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日々の雑感


by さむちゃん
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北方領土返還交渉

菅首相が、9日にロシアのナルイシキン大統領府長官と首相官邸で会談し、その中で北方領土問題に関係して「領土、経済問題を首脳同士で話し合いたいと伝えたという。長官の方は、会談後「北方領土問題について両国の歴史学者が集まって冷静な雰囲気の中で議論する方が有意義だ」と述べたと伝えている。

ロシア側が「歴史学者を交えて冷静に話し合いましょう」などと言うとは、ちょっと不思議な感じがする。つまりロシアなりに歴史的な根拠があってのことだろうから…。

僕は日本人なので日本側の着眼からしか今まで北方領土問題を考えたことがなかった。つまり、ソ連が1945年8月9日に日ソ中立条約を破棄して対日戦に参戦して、日本の降伏後に北方4島を占拠したというものである。原爆が落とされ日本の敗戦が決定的になってから中立条約を破って参戦し、火事場泥棒的に日本領土を占拠した憎きソ連という主張を信じているほうである。ロシア側の主張を知りたくなった。

ロシア側の主張の根拠はどうやら、「第二次世界大戦の結果としてのロシアの合法的領土」つまりヤルタ会談で決まった秘密協定を盾にとっているようだ。第二次世界大戦の末期1945年2月に英米ソの首脳(ルーズベルト、チャーチル、スターリン)がヤルタに集まって、大戦後の世界秩序、ドイツ・ポーランドの処理、国際連合の基本制度、ソ連の対日参戦とその条件などを話し合ったと言われる。

ソ連の対日戦参戦の条件というのが、ソ連はドイツ降伏後90日以内に参戦すること、樺太南部の返還や千島列島の引き渡しをうけるというものである。

当事者を入れないで英米ソの首脳だけで秘密裏に決めた秘密協定を盾にとっても、国際法上は何の効力もないように思うのだが、戦勝国側であれば勝てば官軍である。

結局、日本は今も漁業権を得るために莫大な金をロシア側に支払って操業を行っている事実を考えたとき、ロシア側が簡単に北方領土を手放すわけがない。敗戦で取られたのだから、ソ連の瓦解に乗じて取り戻すしかなかったわけである。極論ではあるが…。あるいはソ連が日本の経済力や資本力をあてにしないで、純粋に将来的な発展と互恵の観点から友好条約を結べたとすれは、戦後すぐサンフランシスコ平和条約締結後数年以内までだったように思う。しかしながら歴史の皮肉というか、冷戦下ではアメリカをあてにもできないし無理だったのだろう。

いったん実効支配された後に、自国の領有権を主張しても何か暖簾に腕押しのような感じで、相手国に利用されるだけという印象がぬぐえない。4島一括返還とか2島返還論、さらにはロシアからの買い上げ案など、いろいろあるようだが解決の糸口さえ見えないという現状である。
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by attainmentofall8 | 2010-12-12 21:21 | 政治/経済 | Comments(0)