桜の異変と黄砂
2010年 03月 23日
友達からのメールによると、鹿児島の桜がまだ1~2分咲きだそうだ。地球温暖化や暖冬の影響で開花が早まるのではと普通考えるが、逆に遅れているという。不思議に思って調べてみた。
開花のプロセスはざっと次のようなものらしい。桜の花の花芽は前年の8~9月位につくられ、春の来るのをじっと待っている。冬の間は休眠状態にあるという。そして厳しい寒さにさらされることで休眠打破が起こり、花芽が生成して開花する。大事なのは冬の厳しい寒さを経ないと休眠打破が起こらないところだ。暖冬で冬の寒さが和らぐと休眠打破が狂ってしまうらしい。これが九州地方で開花が遅れている原因のようだ。
これはまったく人間と同じではないかと思った。平々凡々より波乱万丈のほうが人間に磨きがかかり味がでるといえるのではないだろうか?!
俳句の季語にもなっている黄砂。他に季語としては霾(ばい、つちふる)、霾ぐもり(よなぐもり)、霾天(ばいてん)というのがある。桜島の降灰よりも厄介なものだが黄砂とはいったいなんだろうか?
中国大陸のオルドス、ゴビなどの砂漠の砂が強風に舞い上げられて、偏西風に流され日本にまで飛んでくる現象である。黄砂で一番問題なのはただの砂ではなく汚染物質を含んだ砂が混じっているということだ。経済発展が著しい中国では工業化によって、日本の昭和30年後半から40年代前半頃の公害が声高に叫ばれていたころに酷似している。社会科で習った4大公害病のひとつ「四日市ぜんそく」を思い出すが、大気汚染物質が喘息を引き起こした公害である。そんな汚染物質が知らぬ間に黄砂に混じって日本に飛来していることを考えるとぞっとする。
日本の科学技術を使って砂漠の緑地化という根本的な対策をしないと黄砂問題は解決しないだろう。幸いに東レとミツカワが生分解性のポリ乳酸樹脂を使う砂漠緑地化技術を共同開発したそうだ。チューブ状の樹脂で地面を押さえて砂の移動を防ぎ草木の種を自生で根付かせる手法である。この樹脂素材のポリ乳酸はトウモロコシなどの植物から作られており、時間がたつにつれて水や二酸化炭素に分解される優れものだ。すでに内モンゴル自治区の中西部での実証実験も成功しているという。
今の民主党政権は中国と蜜月だから日本が世界に最新科学技術の粋を見せるつもりで砂漠の緑地化を進めてみたらいい。
by attainmentofall8
| 2010-03-23 22:35
| 雑感
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