人気ブログランキング | 話題のタグを見る

日々の雑感


by さむちゃん
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

言語習得の臨界年齢

親の海外赴任に伴って行った子供のほうが、現地の言語に親よりも早く習熟できたという話をよく聞く。文法を学ぶことなく、つまり中学生くらいから第二言語の習得をする際の学習法に沿わなくても、ネイティブ並に対象言語を話せるようになる年齢があるのではということは知られている。言語習得の臨界年齢ともよべる。
「寿命はどこまで伸ばせるか?」という本を読んでいてはたと思ったことがあった。人間は出生後1~2年の間で大脳皮質のニューロン(神経細胞neuron)数は急激に減少し、出生直後の1200億から2歳くらいで200億に、8歳までには大人と同じ120億になるそうだ。つまり9割のニューロンは発生の途中で消えたことになる。これはアポトーシス(apoptosis)による。ニューロンは単独では機能しないが他のニューロンとの間にネットワークを作る必要があって、そうできなかったニューロンはアポトーシスで死んでいくことになる。たくさん作って後で選抜するというのが生物の基本戦略だそうだ。ただしアポトーシスで死滅したニューロンがまったく何も働きをしなかったかといえばそうではないだろう。むしろまだ解明はされていないが言語習得という点から見れば重要な働きをしていると思う。
「十で神童、十五で才子、二十で普通の人」というがニューロンの減少とずれている。言語習得後の社会経験や学習で複合的融合的に賢くなるのが普通だろうが、幼少時の学習能力の高さを誇張した格言といえる。ニューロン数が成人の120億に落ち着くまでが言語習得の臨界年齢といってよさそうだ。これはあくまで僕の私見である。
ここで使っているアポトーシスとは、細胞のプログラム死という意味である。人には5本の指があるが、この形は指と指の間が適当な時期にアポトーシスで消滅してできるのである。アポトーシスを抑制した実験を水鳥を使ってやると、水かきの大きさが変わってくるらしい。
名前
URL
削除用パスワード
by attainmentofall8 | 2010-03-15 22:56 | 英語学習 | Comments(0)